画像読影の基礎④~超音波画像(エコー画像)~

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今回は画像読影の基礎シリーズの第4弾ということで、超音波画像(エコー画像)についてお話していきます。
元々エコー画像といえば心臓や腹部臓器など、内科疾患の評価で使用されることが多いイメージですが、最近では運動器領域でかなり注目されている評価機器となっています。

今回の内容

  • 超音波画像(エコー画像)とは?
  • 超音波画像の原理
  • 運動器領域における各組織の写り方

●超音波画像(エコー画像)とは?

超音波画像(エコー画像)とは、超音波を体内に送り、この超音波が組織に当たって跳ね返ってきた反射波を映像化したものです。
この超音波画像の歴史は1880年から始まっています。

超音波は1880年に、Curie兄弟が圧電効果を発見したことで初めて発生が可能になりました。
その後1917年に、Langevinが潜水艦探知器を目的としたソナーを開発し、超音波は初めて実用化されました。
1942年に、Dussikが脳の超音波検査を行い、初めて医学に超音波が応用されました。
その後、腹部(1949年)や心臓(1954年)にも応用が進み、またカラードプラ法やエラストグラフィー機能の開発、ポケットサイズ超音波診断装置の製品化などが進み現在に至っています。

●超音波画像(エコー画像)の原理

超音波画像の検査方法は、原理としてまずその名の通り超音波を使用します。
プローブという超音波を発する器械を検査部位に当てます。
このプローブから超音波が出ることで、体内の組織に超音波が当たり、跳ね返ってきた反射波が戻ってくるまでの時間を距離に換算した上で、反射波の強さの変化を映像したものが超音波画像になります

●運動器領域における各組織の写り方

エコー画像の写り方は、『高エコー像』と『低エコー像』と表現されます。
高エコー像 ⇨ 白く写る
低エコー像 ⇨ 黒く写る

反射しやすい組織ほど白く写り(高エコー像)、反射しない媒体ほど黒く写ります(低エコー像)。

●筋
筋線維の集合体の筋束    ⇨ 低エコー像
筋束を包んでいる筋周膜   ⇨ 高エコー像
筋を包んでいる筋外膜と筋膜 ⇨ 高エコー像

●腱
腱 ⇨ 長軸像では、規則正しく線状の高エコー像が層状に配列(fibrillar pattern)

●靭帯
靭帯 ⇨ 腱同様に規則正しい線状の高エコー像が線状に配列(fibrillar pattern)

●骨
骨  ⇨ 骨表面だけが連続性のある線状の高エコー像を示す
     (骨は超音波をほぼ通さないので、骨表面より深層は低エコー像)

●軟骨
関節軟骨 ⇨ 低エコー像
半月板  ⇨ 高エコー像

●血管
血管 ⇨ 低エコー像
動脈 ⇨ プローブ圧迫で変形しない(内圧が高いため)
静脈 ⇨ プローブ圧迫で変形(内圧が低いため)


●末梢神経

末梢神経線維の集合体の神経線維束  ⇨ 低エコー像
神経線維束を包む神経周膜や神経上膜 ⇨ 高エコー像
※末梢神経は静脈と伴走しているので、静脈をランドマークとして探すと良いでしょう。

運動器領域における主要組織の写り方をまとめると

  • 筋束         ⇨ 低エコー像
  • 筋周膜        ⇨ 高エコー像
  • 筋外膜と筋膜     ⇨ 高エコー像
  • 腱          ⇨ 高エコー像
  • 靭帯         ⇨ 高エコー像
  • 骨表面        ⇨ 高エコー像
  • 関節軟骨       ⇨ 低エコー像
  • 半月板        ⇨ 高エコー像
  • 血管         ⇨ 低エコー像
  • 末梢神経線維束    ⇨ 低エコー像
  • 神経周膜や神経上膜  ⇨ 高エコー像

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